映画「ボディ・ダブル」改めて観るとイメージ違った（ネタバレあり感想）

オススメ度5/10（１０点満点）

超ざっくりストーリー

売れない映画俳優ジェイクが同棲してる彼女の浮気を目撃し、その家を飛び出したら偶然知り合った俳優仲間から留守番を頼まれ、そこで隣人をノゾキ見していたら事件に巻き込まれる話

キャスト/役名

グレイグ・ワッソン（ジェイク・スカリー）/メラニー・グリフィス（ホリー・ボディ）/グレッグ・ヘンリー（サム・ブシャール）/デボラ・シェルトン（グロリア・レヴェル）他

監督

ブライアン・デ・パルマ

時間

114分

感想

本当にサスペンス？

恐らくは3回目の視聴だと思いますが、ようやく分かりました。
これはサスペンスでありません。

サスペンス風コメディです。

よくパッケージとかあらすじでエロティックサスペンスとか
サイコスリラーとか言われたり、書いてあったりするので

と思って身構えて観ると

明らかに拍子抜けします。

あのデ・パルマのサスペンスにしてはゆるいな。と。

あ。確かにエロティックな部分は否定しませんが、
サスペンスな部分は一部だけかと思います。

グロリアを追っかけてる犯人を追っかけてるジェイクが閉所恐怖症で動けなるまでとか、
グロリア殺◯シーンは、間違い無くハラハラ・ドキドキします。
それ以外は特にサスペンス感は無い…？

コメディの検証

まず主人公のジェイク。
全編とおしてヘタレ感満載なんですが、
警察に言わせるとイケメン俳優との評価。

序盤からドラキュラ役のくせに閉所恐怖症で棺から出られないは、
同棲している彼女には浮気されるは、その家彼女ん家何で仕方なく友人の家へ居候するは、
そんな状況ながも生活感まるで無し。

たまたま知り合ったサムから、とんでも無くいい話を貰い変な形の家にしばらくやっかいになり、
その隣人が夜な夜なダンスする所を欲望のままノゾキこむ、どうしようもなくヤバい奴。

別の日もノゾいてたら、他の奴がノゾいてる事が判明。（ややこしい）

何故かそいつに敵意をむき出しにし、（やってることは一緒だろ）
たまたま買い物帰りに見かけた隣人をそいつが追っかけていったので、
自身もそいつを追いかける。
特に正義感とも思えないねっちこい尾行。

グロリアが入った更衣室が
なぜか少し開いて隙間から中が見える。
（ありえない!!!）
そこをマジマジと凝視するジェイク。
あからさまにヤバい奴なんでそれに気づいた店員に通報されます。
当たり前ですが…

これでコメディで無いならなんでしょう。
絶対わざとこんなキャラ作ってますよ。

そんな風に思っていたら、
先日購入した「悪魔のシスター」のBlu-rayに入っていた
特典映像の「テ゛・パルマ監督 映画ダイジェスト」で
初めてブラックコメディとの紹介がありました。
やっぱりコメディだったのですね

デ・パルマ絶対楽しんでます

この映画を観てるといかに監督が楽しんで撮ってるのか
ヒシヒシ感じる人は根っからのデ・パルマニアでしょう。

ゴリゴリのデ・パルマニアの諸先輩方には遠く及びませんが、
映画監督の中で一番ブライアン・デ・パルマが好きです。

だからヒシヒシ感じるんです。
楽しんで撮ってるのが。

色々ありすぎますが、一番楽しんでいるだろうというシーンは、
犯人を追っかけて閉所恐怖症で動けなくなってから、
グロリアに助けられてトンネルを出た次。

何故かグロリアと
いい感じになって
カメラはグルグル360°回ります。

ええ。全く無かったですがいいんです。
監督カメラをグルグル回したかったんで。
きっと。

それはいつもの事なんで特に問題は無いですが、心なしかいつもよりやたら長い。
グルグルしつこく回ります。こんだけ長いと現実ではなく、きっとこのシーンは

って思うぐらい。
このまま二人はくっつくゆえのフル回転と思ってたら夢オチでも無く、
我にかえったグロリアにつっぱねられるジェイク。

どう？面白いでしょ？って監督の声が聞こえてくるくらいやりすぎです。

その他、色々あってとある映画会社？に潜入したときに、
何故か突然ぶっこまれる
フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「リラックス」。

と言わんばかりに極上のサウンド共に颯爽とジェイクを連れて歩いてきます。
シナリオに必要性はまるで感じません
が、とにかくカッコいいシーン。

その他のシーンでは1ミリも彼は出演してない気がします。

最後は、どうでもいい小道具パンティ。
（あえてこの名称を使います）

ジェイクが尾行してるときにグロリアが捨てたものですが、
ジェイクが拾うんですよ。
主人公なのに。
そのシーンも爆笑しながら撮ってんじゃないかと思ってますが、

そのパンティがのちに警察から事情聴取されるときに、
なぜがポケットからハンカチのようにはみ出てて見つかるんです。

今まで出てなかったのに。

それを警察が見つけて尋問するんですが、真顔で。
こんなんもうギャグ以外なんでも無いです

そんなシーンのカットがかかったら
撮影現場全体で
爆笑してるのが眼に浮かびます。

まとめ

ジャンルで言えばサスペンスに入ると思いますが、
要所で「あれ？これ笑うとこだよなぁ…」と探り探り思ってしまうので、
割り切って
サスペンスコメディとして観れば中々の逸品。

万人受けはしないと思いますが、
デ・パルマ映画が少しでも刺さる人なら、
笑いながら楽しめる狂気の映画。

これでもかっ！と、デ・パルマが楽しそうカメラ回してるように感じます。

そもそも、グロリアの家にいる犬がなぜが犯人に襲いかからず、
ジェイクだけ襲いかかる理由ですら、
ジェイクがまるで説明するかのようにセリフで言っちゃうんで、
そんなサスペンスの謎解きないでしょ。

そしてまるでオチのようなエンディングの
ボディダブルシーンも秀逸。

おお、こんなふうに撮ってるんだ。
と感動しました。

まあそこもコメディなんですが。

今日もいい映画、ごちそうさまでした！

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